共活(ともかつ)メソッドとは

ラフ君は私の手元から飼い主さんのところにお繋ぎしたわんこでした。

ある日、飼い主のお父さんから慌てたように電話がありました。

ラフくんの身体の状態が非常に悪く、もしかしたらあまり長くないかもしれないと言う連絡でした。

ラフ君は、まだその時、もうすぐ2歳になるかという位の年齢で、お父さんとしてもまだまだこれからラフくんとたくさんのことをしようと考えていた矢先のことでした。

そして数日後、残念なことにラフ君はあっという間にお空へと病気で旅立ってしまいました。

その時、お父さんからもらった電話が私にとって辛いものであったと同時に、私の想いをお父さんに伝えなきゃと思いました。
私にとってもラフ君は、私の手でお渡しできる日まで育てた子だったので、思い入れが人一倍あったということもあったかもしれませんが。

お父さんには、「とにかくラフ君のことをできるだけたくさん思い出すからね」と声をかけさせてもらいました。
そうするとお父さんから思わぬ返事が返ってきました。

「そっか、悲しすぎて辛すぎてラフの持ち物を全部捨てて、忘れよう忘れようとしてしまったんだけど、確かにラフは生きてたんだよね。だからhitomiさんの言うようにラフのことを覚えていてあげることが本当に大事なんだと今気づいたよ」
その後、私のところにラフくんのお父さんから改めて電話が入りました。
「hitomiさん、ラフの仏壇を作ったからお線香をあげにに来てくれない?」

その言葉を聞いて、私はラフ君の仏壇に最後のご挨拶に行くことにしました。

行ってみるとそれはそれは立派な手作りの仏壇が作られていました。

私は、その仏壇に向かって、手を合わせさせてもらいました。そして、帰ろうとすると、後から後からラフ君のことを知っている方たちがお参りの訪れ始めたのです。
これには、私自身も本当に驚かされました。
そして何より、皆さんが口々にラフくんの思い出を飼い主のお父さんに話しているのです。

その話を聞いているうちに、ラフくんの飼い主のお父さんの顔にも少しずつ晴れやかさが出てくるのがわかりました。
この時私は、ラフくんからたくさんのことを教えてもらった気がしています。

どう見送るかということが、遺された飼い主さんにとって本当に大切なことなんだと改めて強く思いました。

今回、この共活メソッドを作るにあたり、ラフ君とのストーリーから本当に大きなきっかけをもらいました。

やはり辛いことを忘れたいと言う気持ちは、誰にでも出てきてしまうと思います。

だからこそ、事前に準備をしておく重要性を学びました。また、仏壇をお父さん自身が手作りしていく中で、ラフ君との日々を思い出し、お父さん自身の気持ちが少しずつ癒されていったこと。それと、ラフ君の近くにいた人たちがラフ君のためにお参りしてくれたことによって、ラフ君が本当にそこにいたのだ、存在していたんだということがお父さんの心の中に改めてしっかりと刻まれることになったんだと思います。

そして、辛いけれどもこうして心に収めていくことで、ペットロスになることもなく、心穏やかにお見送りすることができたということは、本当に良かったと思える出来事でした。

この経験から、私は共活メソッドをなんとしても作り、皆さんに広めたいと思うようになったのです。

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